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Mid 1950s Style Acetate Souvenir Jacket “BLACK TIGER” × “ALOHA HAWAII” TT15052
1950年代中期に米軍から港商商会(テーラー東洋の前身)が製作の依頼を受け、ハワイの米軍基地のPX(基地内の売店)に並んだスーベニアジャケットを再現。ブルーのアセテート生地に黒を基調とした虎が描かれているが、針足を駆使し、刺繍の立体感のみで虎斑(とらふ)の模様や毛並みを表現しているところに職人の技術の高さが垣間見える。
リバーシブル面はハワイの基地に納品されていたスカジャンらしく、ハワイの風景柄。胸と背にはパームツリー。その奥に見えるのはダイヤモンド・ヘッドであろうか。ハワイでのリゾートが隆盛を極め、アロハシャツが流行し、アメリカがオリエンタルブームに沸いた1950年代。その時代背景を象徴するかのような一着。
Early 1950s Style Acetate Souvenir Jacket “ROARING TIGER” × “JAPAN MAP’’ TT15052
三日月が浮かぶ夜空へ向かい、咆哮する虎を描いた1950年代前期の作品。本作にはいくつかの特徴があり、そのひとつが雲の刺繍。白い刺繍糸を部分的に染め、その糸を使って刺繍することでヴィンテージの刺繍の濃淡を再現している。そして、もうひとつの特徴がリブ。通常、スカジャンのリブは身頃や刺繍の色に合わせて両面異なる配色であることが多いが、本作は赤・黄・緑の派手なリブで両面同じ配色となっている。これは比較的古い年代のスカジャンにみられる特徴。
リバーシブル面は豊かな色彩で表現されたジャパンマップ柄。富士山の下に咲く一輪の桜が美しい。刺繍された地名が東北に集中していることから、東北地方の米軍基地に納品されていたスーベニアジャケットであろうか。日本地図とともに描かれた朝鮮半島の38度線から、朝鮮戦争中に作られたものと判断できる。
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